ラ・リーガとはスペインのプロサッカーリーグの名称です。
スペインでの呼び方なので、日本では「リーガ・エスパニューラ」の方が一般的に使われることが多いです。
ラ・リーガはUEFAチャンピオンズリーグを3連覇して2018年のクラブワールドカップで日本の鹿島アントラーズと対戦したことでも話題のレアル・マドリードやメッシ選手を擁して日本にも目標にしているチームが多いバルセロナなどが所属する世界屈指のリーグです。
世界的ビッグクラブがしのぎを削るラ・リーガの魅力に迫ってみましょう。
ラ・リーガの歴史
ラ・リーガの創設は1929年と、今から90年も前のこととなります。
初年度の参加クラブは10クラブで、レアル・マドリードやバルセロナはその時から参加しています。
初年に優勝したのはバルセロナで、その後レアル・マドリードが2連覇を果たすなどラ・リーガの創設期からこの2チームはリーグをリードしてきました。
初期のころは地元の選手だけで構成されているアスレティック・ビルバオが数回の優勝をするなど特徴のあるチームも力を発揮していました。
その後、戦争の影響も色濃く出た1940年代には、バレンシアやアトレティコ・マドリードのような強豪チームも台頭し、群雄割拠の様相を呈してきます。
1950年代はレアル・マドリードとバルセロナが優勝を分け合うことが多かったですが、1960年代から70年代はほとんどレアル・マドリードが優勝を独占する時代となりました。
1980年代に入るとまた群雄割拠になってきますが、それでもレアル・マドリードは5連覇を達成しており、こうしてみると本当に長期に渡り王者であり続けていることがうかがえます。
1990年代はバルセロナが攻撃的なサッカーで「ドリームチーム」と呼ばれるチームを作り複数のタイトルを獲得しました。
ちなみにバルセロナはボールを自分たちで支配する攻撃的なサッカーを特徴としていますが、その礎はこの時のチームです。
2000年代初頭はバレンシアが台頭しましたが、その間レアル・マドリードは毎年スター選手を獲得し、「銀河系軍団」と呼ばれるチームを作り話題を独占しました。
2000年代後半になると、バルセロナが黄金期を迎えリーグ3連覇を達成します。
2010年代になってもレアル・マドリードとバルセロナがタイトルを分け合う構図に大きな変化はなく、アトレティコ・マドリードが力をつけるなどの動きはあるものの2強時代は続いています。
ラ・リーガの構成
ラ・リーガの構造は1部リーグが20チームで構成されており、下位3チームは2部に降格となります。
2部リーグは22チームの構成ですが、さらにその下に2部リーグのBがありそこにはなんと80チームが所属します。
さらには3部リーグにも360チームが存在しており超巨大な構造となっています。
ラ・リーガの特徴
ラ・リーガには歴史的背景も絡むなど様々な特徴があります。
その一部をご紹介しましょう。
2強体制
歴史でも紹介したようにラ・リーガはレアル・マドリードとバルセロナの2強に対して他のチームが独自路線を進む構図になっています。
レアル・マドリードの優勝回数は33回、バルセロナが25回と両チームでラ・リーガの歴史の半分以上の優勝を占めています。
特に2010年代は18年までレアル・マドリードに所属したクリスティアーノ・ロナウド選手と、バルセロナのリオネル・メッシ選手が世界最優秀選手の座を毎年争うなど、個人レベルでも最大のライバルでした。
この2チームの対戦は「エル・クラシコ」と呼ばれ国を代表する伝統の一戦として、スペイン国内だけではなく世界中で注目されています。
地域密着
ラ・リーガは地域に密着したチームが多いのも特徴です。
下部組織の「カンテラ」と呼ばれるチームも発達しており、レアル・マドリードやバルセロナはスター軍団のイメージがあるかもしれませんが、実は下部組織出身のスターも多いのです。
地域密着の頂点とも言えるのはアスレティック・ビルバオというチームで、バスク地方にあるこのチームの選手は全員バスク人で構成されています。
地域密着性の強さから、サッカーは街の名誉を賭けた戦いにもなり、同じ地域同士の対戦となるダービーマッチではリーグの順位に関係なく激しい試合が繰り広げられます。
カタルーニャ地方について
過去の戦争による政治的影響がサッカーに関係する部分も出つつあります。
カタルーニャ州はスペインからの独立を図る運動を繰り返し。2017年には独立を宣言しています。
カタルーニャ州のバルセロナは極力政治には関わらない中立性を維持してきましたが、今後大きな動きには抗えない可能性は十分にあります。
日本人には鬼門のリーグ
ラ・リーガには多くの日本代表経験者も挑戦していますが、目立った成績をあげられている選手は出てきていません。
ヨーロッパのチームで活躍する日本人選手は増加の一方で、優勝に貢献する選手もいますが、スペインでは誰も通用していないのが実情です。
Jリーグから直接挑戦した2000年の城彰二選手や2005年の大久保嘉人選手は歯が立たず、怪我の影響はあったもののスコットランドリーグでMVPを獲得するほどだった2009年の中村俊輔選手も出場機会は得られませんでした。
2017年シーズンの乾貴士選手は一定の活躍はしていましたがインパクトを残すほどではなく、2部での活躍が認められていた柴崎岳選手も、1部ではプレー機会が限られています。
今後ラ・リーガでも活躍する日本人選手が現れることが、日本で世界で勝つためには必要なポイントかもしれません。
世界トップの戦いを楽しもう
ラ・リーガは2強状態ではあるものの、その分この最強の2チームに勝って名を上げようという野心的なチームも多く見ごたえがあります。
もちろん2強もスター選手も揃っているので見ていて楽しいですし、華麗な攻撃サッカーを堪能するには最高のリーグです。
日本で観る方法は限られますが、DAZNでは視聴できますので是非世界のサッカーに触れてみてください。