サッカーの用語の中に1種登録や2種登録といった言葉があります。
プロサッカーで主に絡んでくるのは1種登録と2種登録についてです。
ここではその2つの違いを中心にサッカー選手の登録について説明します。
サッカーのカテゴリーの分け方
サッカーのカテゴリーは年齢を基準に次の4つに分かれています。
第1種:一般、大学生
Jリーグのようなプロを始め、アマチュア最高峰リーグのJFLなど年齢制限がないものが第1種です。
大学生も分類としては第1種になりますので、プロアマを問わない構成になっています。
第2種:高校生年代
高円宮杯U-18サッカーリーグや高校サッカー選手権がこの年代の主な大会です。
そのため第2種は高校生と覚えてもらって構いません。
第3種:中学生年代
登録選手のほとんどが中学生です。
第2種と第3種は学校のサッカー部が出場する総体などの大会と、Jリーグのジュニアユースチームなどが出場する日本クラブユース連盟開催の大会に分けられます。
第4種:小学生年代
小学生でどこかのチームに所属すると第4種として登録させることになります。
小学生プレイヤーのための全国大会もあります。
年齢に応じてカテゴリーが分けられますので、高校を卒業してサッカーを続ける場合はプロにならなくても第1種に移ることになります。
ちなみにこれは主に男子サッカーでの分類です。女子の場合は年齢によるカテゴリー分けはありません。
サッカーの試合出場には選手登録が必要
サッカー協会が主催をする試合に出場をするには選手登録が必要です。
小学生以下の第4種であっても登録が必要となります。
サッカー協会は各都道府県にあるため、チームの拠点となる都道府県サッカー協会へ所属するチームから申請を行います。
2種登録は18歳以下でもプロの試合に出場可能な選手のこと
2種登録の選手はプロの試合への出場は可能です。
1種や2種というのはチームのカテゴリーのこと。2種「登録」という言葉になると選手個人単位の話となります。
第9条〔出場資格〕
(1) 協会への選手登録を完了し、かつJリーグ登録(Jリーグ規約第 100 条に定める。以下同じ)を行った選手のみが、試合における出場資格をもつ。
(2) Jクラブの2種チームに所属し、次の各号の条件を満たした選手には、所属するJクラブが参加する試合への出場資格が与えられる。
① 当該2種チームが、協会にクラブ申請されていること
② 第 12 条の定めに従いJリーグに「Jリーグメディカルチェック報告書」が提出されていること
③ 選手が 18 歳未満である場合、ドーピング検査実施に関する親権者の同意書が提出されていること
④ 「第2種トップ可」選手としてJリーグ登録されていること— 2019 明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項
この2種登録とはユースチームなどの2種のチームに所属していながら、プロの公式戦に出場が可能となる制度です。
この制度は活発に使われています。
FC東京のU-18チームの選手だった久保選手はわずか15歳で2種登録によりJリーグの公式戦デビューを果たし、次のシーズンにはJ3ながら公式戦への出場機会を増やしていきました。
その後正式にFC東京とプロ契約を結ぶまで、2つのチームを掛け持ちする形となっていました。
2種登録で活躍する選手
久保選手以外にも同様の例は多くあります。
特にJ3に23歳以下のチームを持っているFC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪は必然的に2種登録の選手の出場機会が増えていきます。
2018年シーズンの開幕前にはFC東京が11人もの選手を2種登録して話題となりました。
その他のチームでも名古屋グランパスの菅原由勢選手は2018年シーズン序盤に注目を集めた選手の1人です。
2種登録ながらに開幕戦にフル出場すると勝利に貢献。その後も出場を続け、チームの低迷と共に後半は出場機会を失いましたが17試合に出場しました。(プロ契約後を含む)
ルヴァンカップでは21歳以下の選手の出場規定があったことからも各チーム積極的に2種登録の選手を起用して、選手の育成に努めています。
2種登録の選手を使うメリット
2種登録でプロの試合に出場するメリットは多々あります。
やはり同年代との試合だけでは味わえないハイレベルな戦いは若い選手が飛躍的に成長する良い機会となります。
チームとしても今はまだ戦力にならなくても、有望株にトップチームの試合を経験させることで、将来の世代交代に向けた準備を始めることができます。
この方法が出来るのはJリーグのユースチームならではです。早くからプロを目指す選手にとっては魅力的ですし、世界基準の育成には早くから経験を積ませるのは欠かせません。
Jリーグプロ契約選手のランク
1種チームの場合、プロ契約をすることができます。Jリーグのルールですが、プロの契約はABCのランクに分かれています。
プロ契約のランク
- プロA契約
- プロB契約
- プロC契約
Jリーグのプロの選手でも契約の規定があります。
一番下のランクとなるプロC契約から見ていきます。
プロC契約
一番低いのはC契約で全ての新人選手がここから始まります。年棒の上限は480万円と決まっています。
また、J1~J3のカテゴリにより下記の出場時間を満たしていない選手がプロC契約に該当します。
- J1・・・450分
- J2・・・900分
- J3・・・1350分
この出場時間を満たした場合、C契約に降格することはできません。また、4年目以降の選手についてもC契約を交わすことはできません。
プロB契約
プロC契約と同様に年棒の上限は480万円となっています。
プロA契約
プロC契約の出場時間数を満たした選手ができる契約がプロA契約です。
プロA契約は年俸に上限がありません。
1チームが登録できるA契約の選手数はJ1チームで25人まで
プロA契約を交わすことができる選手数はJ1チームの場合25人までと決められています。
ただし、プロA契約が交わせるのは1チーム25人。
狭き門をくぐってプロになっても生き残るための競争がありプロは本当に厳しい世界です。
チームにとってはA契約ができる選手は25人と限られています。そのため、使える選手の数に限りがあるので、2種登録選手も活用しながら選手を育成していく必要に迫られるということなんだそうです。
今後が楽しみな2種以下の選手たち
サッカー選手は一歩ずつカテゴリーを上げながら成長しています。
2種の高校生の中にも将来が楽しみな選手は大勢います。
3種4種の選手だって負けていません。
地元の天才少年も成長するにつれて日本を代表する選手になるでしょうし、まったく誰も気にしていなかった選手が今後大きく伸びる可能性だってあります。
カテゴリーに分けていろいろな年代が活躍していることを知れば、日本サッカーの発展を支えるものが見えてきます。
彼らの今後の活躍も楽しみにしながら各年代の大会にも注目してください。